アメリカの独立リーグで新しく適用された一塁盗塁とはどんなルールなのかをシェアしていきます。
大リーグ機構がMLBでの将来的な導入に向けて”実験中”の新ルール「一塁盗塁」をご存知でしょうか?
盗塁は「一塁から二塁、二塁から三塁、三塁から本塁」へするものだと認識しているかと思います。

と、私も最初は思いました。
かなり奇抜な新ルールで違和感ありまくりの一塁盗塁とはいったいどんなルールなのか?
盗塁を試みた打者の打撃成績はどうなるのか?
問題点も多くありそうなのでこの記事で説明していきます。
一塁盗塁とはどんなルール?打者の打撃成績の扱いや問題点は?
今回アメリカの独立アトランティックリーグで適用されている新ルールの一つが一塁盗塁です。
一塁盗塁は振り逃げと比較するとわかりやすいので比較しながら説明していきます。
一塁盗塁とはいったいどんなルールなのか?打撃成績上の扱いは?
調べてみるとかなり斬新なルールであることがわかりました。
振り逃げと一塁盗塁とのルールの違い
まず振り逃げについてですが、振り逃げは
2ストライクからキャッチャーが捕球できなかった場合に、打者が一塁へ進塁を試みることができるプレイのことを言います。
これに対し一塁盗塁は、
どのカウントからでもキャッチャーが捕球できなかった場合に一塁へ進塁を試みることができるプレイです。
一塁盗塁のわかりやすい例
一塁盗塁となるシーンを実際に想定してみましょう。
例えば、初球にキャッチャーがボールを後ろに逸らしてしまった場合、
打者が一塁へ走りキャッチャーの送球よりも一塁へ先に到達すると「一塁盗塁」が成立します。
振り逃げは「2ストライクから」というルールですが、一塁盗塁はストライクカウントは関係ありません。
つまり、一塁盗塁はノーストライク、ワンストライクからでも一塁に出塁することができるのが振り逃げとの大きな違いです。
史上初の一塁盗塁が記録された場面の動画
少し画像は粗いのですが、アメリカ現地時間の7月13日に「一塁盗塁」が記録されたシーンの動画がありました。
それがこちら!
For the first time in baseball history a player stole first base thanks to the Atlantic League-MLB partnership rule changes! @ESPNAssignDesk pic.twitter.com/yj4FkcZg6O
— SoMD Blue Crabs (@BlueCrabs) 2019年7月14日
先ほど例に挙げた、初球にいきなりキャッチャーがボールを後逸し、打者が一塁へ到達しています。
「一塁盗塁」になりますので、打者には盗塁が記録されます。
もちろんアウトカウントも増えません。
振り逃げのシーンと同じように見えますが、ボールカウントはノーストライクノーボールです。
これがもし2ストライク後だったとしたら振り逃げによる出塁ということになり、打者は一塁出塁となりますが盗塁は記録されないことになります。
振り逃げの場合も出塁となりますが、アウトカウントは増えません。
一塁盗塁の場合の打者の打撃成績はどうなるのか?
上の例であげた一塁盗塁成功の場合ですが、打者は出塁で盗塁が記録されますが、打撃成績としてはヒット扱いとはならず「野選(フィルダースチョイス)」として記録されたようです。
ちなみに振り逃げの場合の打者の記録は「三振」となります。
一塁盗塁ルールが適用されると起こりうる極端な打撃成績の例
極端な例ですが、ケースとして
- ノーアウトランナー三塁
- 一塁盗塁に成功
- かつ三塁ランナーもホームイン
このようなことが起こった場合、
打者の記録は「野選(フィルダースチョイス)」となりますので、打点が記録されることになります。
ヒットは記録されませんが、打点が付きます。振り逃げの場合だと打点が付きません。
もしこのケースに100回遭遇して同じことが起こった場合、打者の打撃成績は「100打数0安打、100打点、100盗塁」になります。
【打 率】.000
【打 点】100
【盗 塁】100
こんな打撃成績を今テレビのテロップで見たら「えっ!?」ってなりますよね…
極端すぎる例ではありますが、起こる可能性があることなのです。
一塁盗塁がいかに奇抜なルールかということがおわかりいただけたのではないでしょうか?
一塁盗塁の新ルール適用による問題点
一塁盗塁の新ルール適用は「野球の根幹を揺るがす」可能性がある、とアメリカでも指摘されています。
米ヤフー・スポーツは、
俊足選手が圧倒的有利になる。投手は暴投やパスボールを恐れて落ちる変化球を投げづらくなり、速球に頼ることになるかもしれない
と述べています。
このことから、一塁盗塁は打者にとって有利となる「打高投低」のルールということが言えます。
また、アメリカでも日本でも最近は「試合時間の短縮」が課題となっていて、実際に投球間隔を狭めるなどのルールが適用されています。
一塁盗塁成功のケースが増えると攻撃の時間が長くなることにも繋がりますので、必然的に試合時間が長くなってしまいます。
よって、一塁盗塁の新ルールは「試合時間の短縮からは逆行することにもなりかねない」ということにもなります。
「実験的に試している」という今回の米独立アトランティックリーグでの一塁盗塁の新ルール適用ですが、私個人的には野球そのものが変わり過ぎてしまう可能性を感じます。
アメリカでもし採用されると日本でも導入の可能性がありますので、今後一塁盗塁が正式にMLBでも採用されるのかが注目されます。

一塁盗塁の新ルールに対するネット上の反応
一塁盗塁の新ルールに対してのネット上の反応を紹介します。
出典:Twitter
まとめ:一塁盗塁とは?
ここまで一塁盗塁についてのルールを実際にケースなどを合わせて紹介してきました。
一塁盗塁がルールはまだ実験的に行われている段階ではありますが、反応を見ているとやはり野球自体が変わってしまうから反対といった意見が多いです。
私自身は野球の発展のために新ルールを試みることはOKだと考えてます。
ただ、今回の一塁盗塁に関しては実験段階で不採用にしてほしいというのが本音です。
キャッチャーが後ろにボールを逸らすだけでランナーが出塁するケースが増え、見ている側がしらけてしまうのではないかと懸念しています。
また、一塁盗塁を試みてアウトになってしまった場合は、非常にあっけなくアウトになったと感じるはずです。
一塁盗塁はまだ実験的に導入されて間もないので実際に目の当たりにすることがありませんので、今後の動向に注目したいと思います。
最後までごらんいただきありがとうございました。
