「フライが落ちてくる前に審判がアウトって言ってる!どうして?」
野球を見ていて一度はこのような疑問を持ったことはないでしょうか?
これは「インフィールドフライ」という野球の規則です。
それではどのような条件でインフィールドフライが宣告されるのでしょうか?
インフィールドフライの規則がある理由とあわせて見ていきましょう。

インフィールドフライの成立条件と宣告する理由
インフィールドフライの成立条件
審判がインフィールドフライを宣告するには3つの条件が満たされてないといけません。
- ノーアウトまたは1アウトであること
- 走者が1・2塁、または1・2・3塁にいること
- 内野手が普通の守備行為をすれば捕球できると判断できる飛球(フライ)であること
この3つがそろってはじめて審判はインフィールドフライを宣告します。
なお、ライナーやバントを企てて飛球となったものに対してはインフィールドフライは宣告されません。
また、③で「内野手」と記載してますが、捕手、投手、外野手が内野のフィールドで捕球行為をした場合も内野手と同様に扱われます。
ボールが落ちてきて内野手が捕球する前でも、インフィールドフライが宣告された時点で打者はアウトとなります。
ただし、何もボールに触れずに打球がファウルボールになった場合はインフィールドフライとはならず、通常のファウルとなります。
審判がインフィールドフライを宣告する理由
それではなぜ審判はインフィールドフライを宣告するのでしょうか?
公認の野球規則の定義には、
「走者が次の行動を容易にとれるように」
と記載があります。
つまり、走者が不利益とならないために審判はインフィールドフライを宣告します。
この理由だけだとピンとこないかもしれませんので、次にインフィールドフライの規則がなかった場合に起こりうるケースを例に挙げて見ていきます。
もしインフィールドフライの規則がなかったら?

もしインフィールドフライの規則がなかった場合、守備側の意図的な策略によって走者が不利益を受けてしまいます。
例えば、
- 1アウトランナー1・2塁
- 三塁手の定位置付近に飛球
このケースではインフィールドフライが宣告されます。
ここでもしインフィールドフライの規則がなかったらどのようなことが起こりうるのでしょうか?
フライが上がったら1・2塁のランナーは当然三塁手がフライを捕球するものと判断してベースの近くに戻ります。
ここでもし三塁手がフライを捕球するふりをして、ワンバウンドしてからボールを取った場合、
三塁手は三塁ベースを踏んで一つアウト。
ボールを二塁に転送して二つ目のアウトを取る、といったことができてしまいます。
いわば二人のランナーが三塁手の演技に「だまされてしまう」わけです。
二人のランナーは三塁手がボールを捕球するのか、わざと落とすのかはわかるわけがありません。
通常はフライが上がった時点でランナーは帰塁します。
ここでわざと三塁手がフライを取らなかったとして、それがわかった時点でランナーがあわてて次の塁を目指しても間に合わないのが通常です。
このケースだと容易にダブルプレーが成立することが想定できます。
このような守備側が「ズル」をして走者の不利益とならないように、インフィールドフライの規則があります。
もしインフィールドフライの規則がなかったら、スポーツマンシップとはかけ離れた騙し合い、腹の探り合いが起こってしまいますよね。

まとめ:インフィールドフライの条件と宣告理由
インフィールドフライの条件と宣告する理由について、おわかりになったでしょうか?
実はプロでも規則を熟知していなかったために、インフィールドフライが宣告された打球でサヨナラゲームになったケースが過去にありました。
プロの選手でもインフィールドフライの細かいところは熟知していない人もいると思われます。
熟知していないと、とっさの判断で誤ったことをしてしまい、自ら墓穴を掘ることになってしまいます。
実際に野球をする人は、インフィールドフライのケースを想定した練習を一度はすべきかもしれませんね。