メジャーリーグの球数制限って具体的にはどうなってるの?「100球」を球数制限としている根拠は?
新潟高野連は2019年の春季新潟大会から「球数制限」を導入することを発表しました。
公式の高校野球大会では初の試みです。
球数制限はメジャーリーグ中継を観ているとよく聞く言葉ですよね。
実際にメジャーリーグでの球数制限ってどのような内容なのでしょうか?
ここでは、
- 日本のボーイズリーグ・小学生の部では変化球禁止!
- メジャーリーグは「先発投手は100球」の球数制限が一般的
- 高校野球での球数制限導入によるネット上の反応
について見ていきます。

日本のボーイズリーグ・小学生の部では変化球禁止!

日本のボーイズリーグ・小学生の部に「変化球禁止」の規定があるのをご存知ですか?
「日本少年野球連盟主催大会規定」にしっかりと「変化球禁止」と書かれているんです。
さらに球数制限はないのですが「イニング制限」はあります。
以下、投手に関する規定の抜粋です。
- 小学生の部投手は1日6イニング以内、連続する2日間で8イニング以内とする。中学生の部投手は1日7イニング以内、連続する2日間で10イニング以内とする。
- ダブルヘッダーでの連投を認めるが、投球回数を小学生の部は6イニング以内とする。中学生の部はダブルヘッダーに登板した投手、連続する2日間で合計5イニングを超えた投手(5イニングは可)及び3日間連続で登板した投手は、翌日に投手または捕手として試合に出場することはできない。
- 例えば、1試合目で5回投げた場合には、次の試合で小学生の部は1回、中学生の部は2回投げることができる。ただし、端数回数 (0/3回・1/3回・2/3回) は切り上げて1回とする。端数回数の0/3回は、新しいインイングに入って一死もとらずに降板した場合を示す。なお、小学生の部は変化球を禁止する。
引用元:日本少年野球連盟公式サイト
発育の時期に肘を酷使すると将来ボールを満足に投げれなくなる可能性があります。
早い段階から変化球を練習したくなる気持ちも理解できますが、ルールでイニング制限や変化球禁止をはっきりと明記しているのは良いことですね。
メジャーリーグは「先発投手は100球」の球数制限が一般的

メジャーリーグでは先発投手は「100球」を目安に投球します。
ルールブック上に「100球が球数制限」と明記されているわけではありませんが、チーム方針として100球を球数制限としているところがほとんどといって間違いありません。
それでは、なぜ100球を球数制限としているのでしょうか?
理由として、
- 中4日のローテーションによる疲労の考慮
- 投球過多による故障を防ぐ
- 先発・中継ぎ・抑えの分業制が確立されている
の3つが挙げられます。
100球というのはあくまでも目安の数字であって、
「試合を作る上で先発投手として妥当な投球数」
との認識があるのだと想定されます。
メジャーリーグは日本よりも投手の球数制限については深く考えられていて、中継ぎ投手でも20球ぐらいの球数制限があります。
実際にメジャーリーグで中継ぎ投手として活躍した岡島秀樹さんは、
チームの方針として、20球以上投げた場合は次の回は投げない、逆に少ない回なら次の回までまたいで投げることもあるという。さらに、多く投げたリリーフの投手は、次の日には登板しないなどのケアもある。投手の疲労を蓄積させない配慮で「しっかり守られています」
引用元:AbemaTIMES
とコメントしています。
日本の高校野球を観ていると甲子園大会では投手が「連投」しているのを当たり前のように見ます。
ベンチ入りメンバーの人数に制限もありますし、投手の力量の差で投球過多になるのも理解はできます。
また、負けたら終わりの「1発勝負」というのも高校野球での投球過多を産む大きな理由だと言えますね。
多少無理はしてでも力のある投手を優先して登板させることも勝利のためには必要な場合もあります。
まず新潟高野連で導入された球数制限ですが、甲子園大会でも球数制限が明確化される日が近い将来くるかもしれませんね。
高校野球での球数制限導入によるネット上の反応
今回の新潟高野連の球数制限導入に、ネット上ではどのような意見が出ているのかと調べてみました。
「賛否両論ある」
というのがよくわかるネット上の反応でした。
これ、画期的な試みですね。
戦力が多い私学が更に有利云々は置いといてどういう結果が出るか楽しみ。
決められたルールならその中で対応してかなきゃいけなくて複数投手の育成に繋がるはず。
WBCの球数制限も個人的には好きなので^_^ https://t.co/AqdV8eMBqe
— SUZUKI@聞くが八割 (@CaseEbsk) December 22, 2018
https://twitter.com/MeltyNight56/status/1076429165459460098
高校生活最後の試合で球数制限のせいで負けたとかになったら やりきれないけど、時代が時代だしね 長期的な目線で見ていかないといけないね
— (故)ハガネ (@next_line13) December 22, 2018
そうすると、強い投手を複数揃えられる強豪校がより優位になってしまうでしょうが、勝利至上主義で一人の投手に怪我の危険を背負わせるよりはいいですよね。 / 新潟高野連が投手の球数制限導入 来春、全国の公式戦で初 (共同通信) #NewsPicks https://t.co/GHHl3C3mG5
— 氏家夏彦 (@natsu30) December 22, 2018
参照:Twitter
ネット上の反応を見てみると、
「強豪校には好投手が多く集まるから球数制限でますます弱小校との格差が激しくなる」
というニュアンスの懸念が多く見られました。
「ベンチ入りメンバーと増やせば良い」
という意見もあって、私個人としても
ベンチ入りメンバー増は賛成ですね。
球数制限とベンチ入りメンバー増の2つを組み合わせることも公平さを保つ一手です。
いずれにせよ球数制限の導入を明確化したことは、将来ある高校生を守るための「前進」と評価できますね。