メジャーリーグで活躍する日本人ピッチャーがトミージョン手術を受ける、というニュースをよく聞きます。
トミージョン手術といえば、ピッチャーが受けるヒジの手術というものは、野球ファンであれば知識があるでしょう。
日本よりも海外で主流になっているトミージョン手術ですが、もちろん日本プロ野球界で活躍する日本人選手もトミージョン手術を受けた事例はあります。
このトミージョン手術を受けた日本人選手は誰なのか、そしてその後の活躍はどうだったのでしょうか?
トミージョン手術を受けた日本人選手は誰なのか?

トミージョン手術を受けた日本のプロ野球選手はどのくらいいるのでしょうか?
誰が手術を受けて、その後活躍したのかどうかは気になるところです。
まず、1979年に日本人選手で初めてトミージョン手術を受けたとされているのが、当時ロッテで活躍していた三井雅晴です。
手術は成功し復帰しましたが、やはり以前のように球威は戻らず1982年に引退となりました。
また、1983年には当時ロッテの村田兆治がトミージョン手術を受けました。
村田兆治は、トミージョン手術の3年後に17勝をあげる成績を残し、日本人選手で初めてトミージョン手術を成功したと言われています。
それ以降、トミージョン手術を受ける選手が続々と増えたとも言われています。
やはり成功例があると手術にい対する壁は低くなりますよね。
下記に掲載しているのが、一部ではありますがトミージョン手術を受けた日本人選手になります。
手術年 | 選手名(所属球団) |
1988年・1989年 | 荒木大輔(ヤクルト~横浜) |
1990年 | 中西清起(阪神) |
1991年 | 近藤真一(中日) |
1992年 | 麦倉洋一(阪神) |
1993年 | 中込伸(阪神~兄弟) |
1994年 | 小島圭市(巨人~中日~興農) |
1995年 | 桑田真澄(巨人~パイレーツ) |
1997年 | 佐野重樹(近鉄~中日~オリックス) |
1999年 | 赤堀元之(近鉄) |
2000年 | 鈴木尚広(巨人) |
2003年 | 藤井秀悟(ヤクルト~日本ハム~巨人~DeNA) |
2003年 | 藤田太陽(阪神~西武~ヤクルト) |
2004年・2013年・2014年 | 館山昌平(ヤクルト) |
2007年 | 辻内崇伸(巨人) |
2007年 | 五十嵐亮太(ヤクルト~メッツ~ブルージェイズ~ヤンキース~ソフトバンク) |
2008年・2009年・2010年 | 大塚晶則(近鉄~中日~パドレス~レンジャーズ) |
2010年 | ダース・ローマシュ匡(日本ハム) |
2010年 | 延江大輔(オリックス) |
2010年・2015年 | 山本哲哉(ヤクルト) |
2010年 | 田澤純一(レッドソックス) |
2011年 | 松坂大輔(西武~レッドソックス~メッツ~ソフトバンク) |
2011年 | 川島慶三(日本ハム~ヤクルト~ソフトバンク) |
2011年 | 脇谷亮太(巨人~西武~巨人) |
2012年 | 和田毅(ソフトバンク~カブス~ソフトバンク) |
2012年 | 久保裕也(巨人~DeNA) |
2013年 | 江草仁貴(阪神~西武~広島) |
2013年 | 吉見一起(中日) |
2013年 | 藤川球児(阪神~カブス~レンジャーズ~阪神) |
2014年 | 釜田佳直(楽天) |
2015年 | ダルビッシュ有(日本ハム~レンジャーズ) |
2016年 | 高橋朋己(西武) |
トミージョン手術を受けたあとに活躍した選手は?

トミージョン手術を受けたからといって、必ずしも万全の状態で復帰できるとは限りません。
トミージョン手術を受け、その後復帰して活躍した選手、そうではなかった選手がいます。
ここでは日本のプロ野球だけでなく、メジャーリーグでもプレー経験があり、トミージョン手術を受けて復帰した選手をピックアップします。
1995年にトミージョン手術を受けた桑田真澄は、復帰した年に10勝し、1998年には最高勝率(.762)を記録、2002年に最優秀防御率(2.22)という見事な成績を残し復活しました。
また、2006年に手術を受けた五十嵐亮太は、長期間のリハビリを経て2008年に復帰し、開幕戦では154km/hを記録しました。
その年は44試合に登板し、防御率2.47という成績を残し完全復活したといえるでしょう。
どういった基準で手術後の復活といえるかは難しいですが、手術を受ける前と同じような、もしくはそれ以上の活躍ができなかった選手ももちろんいます。
現在中日で活躍する松坂大輔もその1人と言えるかもしれません。
メジャーリーグで活躍していた2011年にトミージョン手術を受け、その後1年で復帰したものの、復帰後早々に肩を痛めて故障者リスト入ってしまいました。
その後復帰したものの、やはり手術前のような活躍をすることはできず、日本球界へ戻ったあとも1軍で1試合しか投げることができませんでした。
現在は1軍ローテーションで先発として登板するも、やはり全盛期のような活躍とは言い難いです。
いずれにせよ、ピッチャーにとって命ともいえるヒジの手術です。
成功率が高いと言われていても、リスクはあります。
リハビリ期間も含め、自身の野球に対する考え方でトミージョン手術を受ける選手、そうでない選手に分かれるのも納得です。
トミージョン手術は日本で受けることも可能なのか?

アメリカで生まれたトミージョン手術法ですが、以前は渡米しないと手術を受けることができませんでした。
しかし、平成に入ったころより日本の病院でもトミージョン手術を受けることが可能となり、その手術件数も増えていくようになりました。
その多くは群馬県にある慶友整形外科病院で行われています。
そして日本では、この慶友整形外科病院の伊藤医師がトミージョン手術をもとに考案した伊藤法という術式が主流となっています。
トミージョン手術を考案したジョーブ博士のジョーブ法は、再建する靭帯を八の字にして移植する方法ですが、日本で主流の伊藤法は靭帯を通すための穴(骨孔)にさらに骨移植をする方法となっています。
それによって、ジョーブ法よりも伊藤法のほうが、強度が強いとされています。
トミージョン手術は、プロ野球選手にとって選手生命を左右する手術です。
成功例やその後の活躍の事例、日本での症例の増加含めて、選手はトミージョン手術に踏み切るかを決断しているはずです。
私のような一般の人には馴染みが薄くてまず受けることはないであろうトミージョン手術ではありますが、野球が好きな人によっては今後のトミージョン手術の進歩は気になるところです。
大谷翔平選手のような日本だけでなくアメリカでも注目されている選手がトミージョン手術に踏み切るかもしれませんので、今後いっそう注目される手術になるかもしれませんね。
コメントを残す